がん治療の要 免疫について

 

免疫とは細菌やウイルスが体内に入ってきた時 それを異物として認識し排除する作用のことです

免疫の仕組みは、24時間休みなく体中をパトロールしていて、足の先から頭の脳の血管の中まで監視しています。

ですから発生した腫瘍が脳にあろうと胃にあろうと子宮にあろうと どこにあっても発見して攻撃します。

人間の血液の成分は、血しょう(液体の部分)と血球に分けられます。

血球には「赤血球」と「血小板」と「白血球」があります。

免疫において大きな働きをしているのが白血球です。 その白血球にはいろいろな種類があって、

大きく分けると「食細胞(好中球、マクロファージ)」「ナチュラル キラー細胞(NK細胞)」

「リンパ球(B細胞、T細胞)」の3種類になります。

白血球は免疫反応で大きな役割をしていて、それぞれ働きがちがっています。食細胞の好中球は 細菌に強く、

細胞内には細菌を破壊する化学物質がつまっています。好中球が細菌をみつけると それを丸ごと食べてしまい、

強力な化学物質により細菌を破壊します。その作用が終わると好中球は死滅し,遅れてマクロファージが感染部位に現れます。

ナチュラル キラー細胞は体中の細胞を点検して癌細胞やウイルスに感染した細胞を破壊します。

食細胞やナチュラルキラー細胞で手に負えないような、増殖の早い細菌やウイルスが出現すると、

3つめのリンパ球が働き始めます。リンパ球には、B細胞とT細胞があります。B細胞は必要な時に「形質細胞」という細胞になり、

「免疫グロブリン」という抗体を作りだします。 T細胞は免疫のシステム全体を管理する働きをしていて、更に「ヘルパーT細胞」

「キラーT細胞」「サプレッサーT細胞」などに分けられます。 これらのリンパ球はどれも、1つの細胞の表面に、たくさんの「抗原受容体」を

もっています。 抗原受容体は、B細胞が作り出す抗体と非常に似通った構造をしています。 異物が入ってきた時、

リンパ球の抗原受容体と抗体が、その異物が何であるかを調べます。

食細胞やナチュラルキラー細胞が単純に外敵を食べてしまうのに対して、リンパ球の免疫力は強いです。

例えば 何かの異物が体内に入ってきた場合、まずは食細胞の好中球やマクロファージが異物を食べてしまいます。

 そしてマクロファージは異物がはいってきたことをヘルパーT細胞に伝えます。

ヘルパーT細胞は、その表面にある抗原受容体(T細胞の抗原受容体は「T細胞受容体(TCR)」と呼ばれます)でマクロファージからの伝言を

キャッチし、異物が入ってきたことを免疫系全体に知らせます。するとB細胞がその情報をもとに、形質細胞に変化して抗体を作りはじめます。

このときB細胞は同じ抗体をもつ「記憶細胞」というものを作ります。又 T細胞の中にも記憶細胞になるものがあり、次に同じ異物がやってきた時の為に

抗体のデータをB細胞にすばやく提供できるようにしておきます。B細胞によって作られた抗体は抗原にしっかりとくっつき、

それ以上の害を及ぼさないようにします。とりおさえられた抗原は、マクロファージやキラーT細胞によって処理されます。

そして抗原が全滅したとき、免疫反応の終了の合図が、サプレッサーT細胞によって行われます。 結果として 癌が治ることになります。

マクロファージ、T細胞、B細胞間の情報のやりとりは サイトカインという物質を介して行われています。

免疫は、細菌やウイルスから体を守るしくみですが、ここで大切になってくるのは、「自分」と「自分でないもの」をはっきりと区別することです。

「自分でないもの」をきびしく見分けるのが、T細胞です。 体内の細胞にはすべて、自分であることについての共通のマークがついています。

このマークは各人でちがいます。 T細胞にもそのマークがついていますし、マクロファージにも同じものがついています。

違うマークのついている細胞を見つけたら、その細胞は「自分でないもの」とみなされ、攻撃されます。

他人の皮膚移植や臓器移植をしたときに拒絶反応を起こすのは、この為です。

又、年をとって免疫力が衰えると発病します。がん患者が年寄りに多いのは そのためです。

これらの免疫細胞を元気にするのがミネラル(微量元素)なのです。


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